イノベーション・エコシステム: 自社の枠を超えてイノベーションを創造

チェンジ・マネジメントで変革を実現

モノを作るには、一歩上からのメタ視点(コトづくり)が重要です

圧倒的に市場を席巻するのは、エコシステムを作った企業

かつて元寇時に、一騎討ちや少人数での先駆を試み1対1で戦う日本は、集団で戦う元軍相手に苦戦を強いられました。

 

この話は俗説で正しくは無いそうです。ただし、日本人のモノづくりを考えると、多くの方には納得感があるはずです。

 

現代のビジネスでは、製品単体のイノベーションは、差別化要因がすぐにコモディティ化してしまいます。エコシステムを作った企業が圧倒的に市場を席巻しています。それが苦手な日本のモノづくりは低迷を続けています。

 

コトづくりに必要なのが、イノベーション・エコシステム

対象のモノだけを考えてモノづくりをする時代は終わりました。どのように作られ、使われた後にどうなっていくか、プロダクトライフサイクルを製造者責任として考え対応しなければいけません。

 

また、モノがどのように顧客の興味を惹き、どういう場で使われ何の価値を与えるかも考える必要があります。

 

それがコトづくりです。大抵は1社だけでは対応できず、イノベーション・エコシステムが求められます。

 

イノベーション・エコシステムは、各社が対等なパートナーとして参加します。サプライチェーンやいわゆる「系列」など序列を与えられれば協力体制が組まれますが、自主的に組織の秩序が生まれないのが日本および日本企業の組織風土です。

 

モノづくりからコトづくりへ
モノづくりからコトづくりへ

モノづくりは、1社単体では完結しない

もう一度、モノづくりの楽しさを取り戻す!

モノづくり大国と言われる日本は、もはや世界の下請けに成りつつあります。

 

元請の言う事をひたすら聞くだけの下請けは、もしかしたら従順な日本人に合っているのかも知れません。しかし、創業時のソニーのように「自由闊達」な精神を取り戻し、もう一度モノづくりに取り組む時期だと思います。

 

経営者は自社だけでなく常にイノベーション・エコシステムを考え、実現させてください。

 

価格を下げるしか打ち手が無い、どんなに機能を付けてもユーザーから全く評価されないと「モノが売れない」お悩みなら、是非ビズフォリオまでご相談ください。

 

参考資料: Faissal Bassis, N., Armellini, F. Systems of innovation and innovation ecosystems: a literature review in search of complementarities. Journal of Evolutionary Economics, 28, 1053–1080 (2018). 

 

※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。

 

 

三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員

 

日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。

 

2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。