観察による共感からユーザーニーズを理解する、デザイナーのように考えるのがデザイン思考です。
かつてモノづくり大国だった日本
電気製品から自動車に至るまで、日本製品が世界中の市場を席捲した時代がかつて有りました。当時は多くの国が非難し輸入規制をかけるなど対策をしていました。
今では、携帯電話やパソコン、家電、オーディオヴィジュアル製品など見る影もない状況です。
日本のモノづくりは、いま一度原点に戻ってユーザーのニーズを知ることが必要です。
デザイン思考は、ユーザー目線を徹底する思考法
日本のモノ(製品)は、高機能の割に比較的安価で高品質です。これだけ聞くと良いことだらけのような感じがします。実際世界中で人気は高いものの、モノづくりにかけた労力を考えると全然低い売上です。
使われない機能がムダに多く、価格も廉価な汎用品に比べると高価で、購入に至るまでのパンチ力が圧倒的に不足しています。これは「こんな機能があれば便利だろう」という機能中心のメーカー目線が原因と言われています。
それに対して、デザイン思考は徹底的にユーザー目線から考える思考法です。
デザイン思考は、大きく3つのプロセスから成っています。
- インスピレーション(ニーズを得る)
- 着想(アイデアを得る)
- 実装
最もその特徴を表しているのが、ユーザーの観察と共感からなるインスピレーションです。ユーザーを観察しながら、どういうところに実際のニーズがあり何があれば満足かを、ユーザーへの共感から知る方法です。また実装はプロトタイプを多用することもその特徴の1つです。
3つのプロセスは直線的ではなく行ったり来たりを繰り返します
デザイン思考で、ユーザー中心主義を徹底
デザイン思考はかなり広まっており、もはや製品の形状をかっこよくすることと誤解している経営者はさすがに少ないかもしれません。
ただしその名前から、何か掴みどころが無くフワッとした理解に留まっている気がするのが残念です。
ぜひ経営者は、デザイン思考をより理解して組織に徹底させ、お客様中心主義の実現を目指してください。
価格競争の負のスパイラルやユーザー・ニーズの把握に悩んでいるなら、是非ビズフォリオまでご相談ください。
参考資料: Brown, T. (2008). Design thinking. Harvard business review, 86(6), 84.
※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。
三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員
日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。
2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。
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