価格と機能の戦略軸に、持続的開発が加わろうとしています
持続的開発を、競争優位性へと変える考え方
これからの企業は、財務に加え社会や環境に対する影響といった非財務情報でも評価されます。
ひと昔まで、そういうアプローチをする企業はニッチな存在でした。例えば、スーパーに並ぶ外国産の安い野菜と地元の有機野菜。フードマイレージも短く環境への負荷も低い一方で値段は高い、おのずと環境意識の高い高収入消費者に限定したアピールになってしまいます。
それを競争優位性へとつなげるという潮流が昨今強くなり、基本的な考え方がクリエイティング・シェアード・バリュー(CSV)です。
環境と価格、両方をイノベーションで解決
10年以上前にPorterが提唱したCSVは、発表当時その効果が疑心暗鬼で賛否両論でした。
自然分解しないプラスチックやCO2を排出し続ける化石燃料など、現在の技術は不完全で、環境を破壊し続けています。それらをカバーするには大変なコストがかかります。
環境と価格、その両方をイノベーションによって解決した企業が提供するのがシェアード・バリューです。ただし、まだまだ持続的開発性を競争優位にまで昇華させた企業は少ないのが現状です。
Porterはシェアード・バリューを作るために、3つの方法を提唱しています
- 商品と市場を再認識
- バリューチェーンにおける生産性を再定義
- 地域クラスターの発展を可能にする
【シェアード・バリューを創造する3つの方法】
自社活動をチェックし、シェアード・バリュー創造機会を発見
環境や社会を変える仕組みを構築するCSVは、有効性が確定してはいません。その実現手法はまだまだ発展途上です。
しかし、確定を待つのではなく、経営者は、自社活動の中にシェアード・バリュー創造の機会を発見し、実際に作れるようにバリューチェーンを変革する必要があります。
CSVに基づいたサステナブル経営への変革が実現できれば、確固たる競争優位性を貴社は確保できるでしょう。
今日ご紹介したサステナブル経営には不可欠なCSV(クリエイティング・シェアード・バリュー)をより詳しく知りたい方は、是非ビズフォリオまでご連絡ください。
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※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。
三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員
日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。
2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。
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