施策が停滞すると、強いリーダー待望論が必ず出てきます。しかし、それだけでは十分ではありません。
優れたリーダーが一人いれば、物事が進むわけではない
DX人材が不足していると、クライアントからよく聞きます。
どんな人材か?と聞くと「デジタルの知識が豊富でみんなを引っ張るリーダーシップがあり、段取り良く進めるプロジェクト・マネジメントも出来て・・」と、スーパーマンです。
そんな優れたリーダーが一人いれば物事が進むと考えるのは、最大の誤解です。
ファーストペンギンの後に続く者が重要
変革リーダーは、崖から飛び込むファーストペンギンによく例えられます。
最初に飛び込むのは大変な勇気が必要です。しかし、後に続く者(フォロワー)がいなければ「動き」は起きません。
長年研究されてきたリーダーシップに対して、最近はフォロワーに着目したフォロワーシップの研究が出てきました。変革を進める上では、飛び込んだリーダーを見ていた残りの人たちの行動、特に二番目に飛び込む者がより重要だからです。
研究では、支援(support)と批判(challenge)の2特性から4つのフォロワーシップ・スタイル(パートナー・実行者・個人主義者・従属者)にフォロワーを分類します。
特性と行動、リーダー認知がフォロワーの役割行動の結果につながるリバーシングレンズモデルはフォロワーシップを表すモデルの1つです。
フォロワーシップの研究が進めば、変革リーダーはもっと力を発揮できるようになるでしょう。
フォロワーの視点から見たリーダーシップのモデル
二番目に飛び込むフォロワーは、きっと存在する
変革がうまくいかない理由を人材不足とするのは簡単です。しかし人材育成を唱えるだけでは決して解決しません。
まずリーダーとフォロワーの関係性に着目して自社の組織を観察してみてください。目立たなくてもきっと二番目に飛び込むフォロワーは存在するはずです。
彼らの関係性が良い方向へと育つように導けば、変革は成功に近づくでしょう。
変革が進まない、人材育成にお悩みなら、是非ビズフォリオまでご相談ください。
参考資料:
浜田陽子, 庄司正実. (2015). リーダーシップ・プロセスにおけるフォロワーシップの研究動向. 目白大学心理学研究, 11, 83-98.
※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。
三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員
日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。
2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。
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