コスト部門の改革が、生産性向上のカギとなる

DXを推進してもなぜ変わらないのか?納得の理由

[羅針盤004]

「誰が稼いでると思ってるんだ!」事務員を小間使いだと思っている所長が未だに建設会社には居るそうです。「カレーを作りに来い」と言ったという、まことしやかな都市伝説がその会社には有りました。

 

「外勤の所長が主役であり、内勤・事務は格下」という意識がまだまだ建設業界には残っています。しかし、書類の提出がなされてなかったり、材料が現場に届か無ければどんなに優秀な所長でも工事は出来ません。 

 

そのような意識を放置しているのは経営者の大きな過ちです。

 

DXの成功は、コスト部門の意識改革が重要成功要因

これは建設業界の特殊な話ではありません。社内の組織は、プロフィット部門とコスト部門に大きく分かれます。多くの会社においてコスト部門は一段下に見られがちです。

 

 米軍では、「素人は戦術を語り、玄人はロジスティクス(兵站)を語る」という格言もあるように、「作戦の成否を握る最重要職」と後方支援部隊は位置づけられています。ロジを無視して戦線を四方八方に伸ばし切って自滅した旧日本軍とは正反対です。

 

現場の直接業務以外は全ての範囲において責任を担う後方支援部隊へとコスト部門を変えるべきです。情報駆動型の予見的・自律的に行動し対等な立場でフロントラインを支える、そんなプライドを持って働く場へとコスト部門を改革することが、最も強力な経営戦略です。

 

DXの成功は、間違いなくコスト部門が重要なカギとなります。決められたことをミス無くやっていればよい、いまだそんな意識では生産性は決して上がりません。

 

見せかけの経営者はDX戦略を語る。真の経営者はコスト部門を語る
見せかけの経営者はDX戦略を語る。真の経営者はコスト部門を語る

──自社のコスト部門は、現場を勝たせるための強力な「兵站(ロジスティクス)」として機能しているでしょうか。それとも、単なる「小間使い」として放置されているでしょうか。AIを壁打ち相手にして、経営者自身のコスト部門に対する「古い認識」を客観的にあぶり出してみてください。

【経営者のためのAIプロンプト】

私は企業の経営者です。
自社において、「コスト部門(後方支援部隊)への評価と扱い」が、いまだに「ミスをしないこと」だけを求める減点方式や、プロフィット部門の小間使いといった古い認識のまま放置されていないかを客観的に自己評価したいと考えています。
自社の組織構造の歪みや、経営者自身の「兵站(ロジスティクス)軽視」の度合いをあぶり出すために、経営者として自問自答すべき「不都合な質問」を、5つのチェックリスト形式で出力してください。

AIが3秒で叩き出したその質問の前に立ち、己の胸に手を当ててみてください。そこで浮き彫りになるものこそが、私たちが直面すべき本当の現実です。


フロントラインからの反発には、毅然とした態度で臨む

もし、直接利益を生まないコスト部門を削減対象にしか見ていなかったのなら、経営者自らがまずその古い認識を変えるべきです。

 

コスト部門の改革は、プライドを傷つけられたと感じたフロントラインからの相当な反発が想定されます。決して彼らの地位を貶めるわけではなく、コア業務に100%集中できるための施策だと意識の底に徹底して叩き込みます。

 

ロジの重要性を肝に銘じて、毅然とした立場を貫き通してください。

 

※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。

 

 

三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員

 

日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。

 

2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。