[羅針盤001]
「うちはかなり投資してきた」と自負するDX推進担当役員がいる会社の社員と、たまたま話す機会がありました。
高額なDXツールを次々と導入してDXを推進してきた担当役員の想いとは裏腹に、残念ながら現場の社員は何も変わっていないという認識でした。
導入したツールの数と金額だけで満足していませんか。一歩現場に降りてみれば、『うちの会社は全然変わらない』という社員の深い嘆きが聞こえてきます 。この温度差の正体は何でしょうか。
変革とは、本質が変わるところまで変えること
多くの会社では、ワークフローを導入してもやたらと多くの人が承認をするというプロセスはそのまま残っています。紙とハンコからワークフローに変わりその速さに「時代は変わったなぁ」と大多数が言っているなかで、「うちの会社は全然変わらない、変わらなければ生き残れない」と危機感を持っている経営層や従業員が一定数居ます。
企業は技術の進歩や社会の情勢に対応して変わっていきます。これはチェンジです。一方、トランスフォーメーション(変革)は何かに向って変えることを指します。変革とは意思をもって本質を変えることであり、ビジネスモデルは企業にとって本質の1つです。
かつて武士の戦い方は、名乗りを上げてからの一騎打ちでした。デジタルツールの導入だけでは、刀の代わりに鉄砲を与えただけです。経営者は、長篠の戦いにおける三段撃ちのようなイノベーションを起こさなければ、過酷なビジネス環境に勝ち残れません。

── とはいえ、自社のビジネスモデルのどこに「古い聖域」が潜んでいるかを客観的に見極めるのは容易ではありません。その棚卸しは、生成AIに丸投げです。今すぐスマホやPCで、以下の**【魔法の指示文】**をAIにそのまま貼り付けてみてください。
【経営者のためのAIプロンプト】
自社が「過去の成功体験」に縛られ、形骸化したデジタル投資(単なるチェンジ)に陥っていないかを自己分析したいと考えています。
自社の既存ビジネスモデルの歪みや聖域をあぶり出すために、経営者として自問自答すべき「不都合な質問」を、5つのチェックリスト形式で出力してください。
AIが3秒で叩き出したその質問の前に立ち、己の胸に手を当ててみてください。そこで浮き彫りになるものこそが、私たちが直面すべき本当の現実です。
変わらないのは、過去に成功体験があるビジネスモデル
DX推進開始から、自社がこれまで変えてきたことを洗い出してみてください。その殆どは表面的なものばかりでした?でもご安心ください。そこから「変わらない大きな何か」が見えてきます。
変えてはいけないという強い意志の働きを感じ取れるはずです。大抵の場合は、過去に成功体験があるビジネスモデル関連です。
社内の殆どが反対勢力となっても自らが壊す、DX推進を謳うなら覚悟を決めてください。
※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。
三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員
日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。
2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。

コメントをお書きください